『蟲師』ってどんなアニメ?
おすすめ度
※筆者の主観的な評価です。参考まで。
気になったらとにかく見てみよう!
みどころ
- 蟲との関わりで露出する人の性
「あらすじ」 どんな内容?
この世界には「蟲」という存在がある。
蟲は動植物でもなく、人でもない。すべての生命の根源的存在であり、生と死の間にあるものだという。
人の中にはまれに蟲の姿が見え、それらを引き寄せる体質の者がいる。
そのような一握りの者の中でも、蟲と人の間を取り持つことを生業とする者がいる。
「蟲師」という。
蟲師であるギンコは旅をしながら、積極的に「蟲」と「人」の間に介入していく。
本来であれば交わることのない両者だが、奇妙にも、それぞれの存在が干渉してしまうことがあるのだ。
時に人の業が欲をはらみ、複雑に絡み合った両者の絡まり。
それらを自然にほどき、それぞれをあるべき場所へ整えていく。
そうしてギンコは風のように、今日も村々をさすらう。
短評・コラム
忠実に再現される江戸の原風景
時代背景は作者の漆原友紀さんによると、江戸と明治の間にある架空の時代ということらしい。
実際、その時代の人々の暮らしはどのようなものだったのか。
あくまでもフィクションということは承知の上で調べてみた。
農家の家屋は茅葺き屋根、瓦屋根、壁は土壁や板壁、それに石造りが主流だ。
中は広い土間と板張りの広間に囲炉裏。それと座敷に納戸がつくのが一般的。
それらの家々が山を抱えた広い土地に集まって集落を構え、田畑を中心として作物を育てる。
漁師町ともなれば海沿いに船小屋や網小屋を築き、水害から逃れるため高台を拠点にしたり土間の位置を高く工夫しながら、漁業を生活の基盤とする。
〈深川江戸資料館、当時の江戸の暮らし〉
身なりはどうか。
江戸の町人は「小袖」を着流すのが一般的だったようだ。
小袖というのは元々着物の下着だったもので、浴衣を崩したようなリラックスウェア。
女性の場合は、裕福な家系は打掛のような着物を羽織っているが、男性はほとんどがこの小袖である。
当時の百姓はこんな感じであった。実際には大規模な飢饉が多発した影響で、幕府から倹約令と称し服装や生活の細部に至るまで規制がかけられていたという。
それらを作中の描写と照らし合わせてみると、なるほどたしかに自然環境に根付いた江戸の香りをふんだんにまとっている。
服装の違和感
ただ、ギンコはちがう。
ひざ丈まであるコートにワイシャツ、スラックス、革靴、おまけに紙巻たばこ。どれも明治時代の文明開化以降に日本に入ってきたものだ。
もっと言えば、庶民の普段着としてこれらが着られるようになったのはそこからさらに何十年も後のこと。
水彩画のなかにぽつりと一滴、油絵具を垂らしたような違和感。
蟲師あるいはギンコの他とは一線を画す特異な性質を、服装の差異で表現しているとはなかなか趣向が凝らされている。
あえて洋楽の主題歌
違和感とまでは言わないが、オープニング曲もすこし気になった。
主題歌を務めたのはスコットランド出身のアーティスト、シンガーソングライターのアーリー・カーさん。
開始序盤から流れるフォークソングの優しく溶け込むような声音が印象的だ。
陽に照らされて煌びやかに光る緑の葉の映像も相まって、どこか懐かしさを誘われる仕上がりとなっている。
だが、こうも思う。
これだけ日本の文化が色濃く反映された舞台であるならば、邦楽のアーティストが選ばれるのが妥当ではないのかと。
「曲によって彩られてしまうことを避けたかったからです」。
アメリカ北西部で最大規模のアニメイベント「サクラコン」に登壇した長濱博史監督は、ファンとのQ&Aでそう答えている。
「英語を選んだのは、視聴者が歌詞を理解できるかどうかは分かりませんが、メロディーや感情は分かるからです」とも。
人は分からないものに不安を抱く。
それはある意味、人と蟲の関係に近いのかもしれない。
分からないものに蓋をするでもなく、対峙するでもなく、ただそこにあることをじっと見つめて歩み寄る。
ギンコの在り方を見習いたい。
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ミーハー感も否めませんが、アニメなんて楽しんでなんぼ。
概要
原作 | 漆原友紀(講談社 アフタヌーンKC刊) |
ジャンル | ヒューマンドラマ、ファンタジー |
放送時期 | 2005年 |
話数 | 全26話 |
アニメーション制作 | アニメーションスタジオ・アートランド |
キャスト | ギンコ:中野裕斗 化野:うえだゆうじ 声:土井美加 |
OPテーマ | 「The Sore Feet Song」 Ally Kerr |
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